
派遣先の職場で働いていると、ふとした瞬間にこう感じることがあります。
「これってパワハラなのでは…?」
たとえば、
・挨拶をしても無視される
・仕事を教えてもらえない
・人前で強く叱責される
・理不尽な仕事を押し付けられる
こうした出来事が続くと、「自分が悪いのではないか」と悩んでしまう人も少なくありません。
特に派遣の場合、立場の弱さを感じやすく、
「派遣だから仕方ないのかもしれない」
「我慢するしかないのでは」
と考えてしまうこともあります。
しかし実際には、派遣社員であってもパワハラから守られる権利があります。
ただし一方で、すべての嫌な出来事が法律上のパワハラになるわけではありません。
そのため、まずは どこからがパワハラなのかの基準 を整理しておくことが大切です。
この記事では、
派遣でよくあるパワハラの事例
法律上のパワハラの判断基準
違法になる可能性があるライン
困ったときの相談先
などを、初めての人にもわかりやすく整理していきます。
記事でわかること
・派遣でもパワハラから守られるのか
・「これってパワハラ?」と感じやすい職場の事例
・法律上のパワハラの判断基準
・違法になる可能性があるライン
・困ったときに相談できる窓口
派遣でもパワハラから守られる?派遣社員の法律上の扱い
結論から言うと、派遣社員でもパワハラから守られます。
現在、日本では「パワハラ防止法(労働施策総合推進法)」により、企業にはパワハラ防止の義務があります。
そしてこの義務は、
・正社員
・契約社員
・派遣社員
・アルバイト
といった雇用形態に関係なく適用されます。
派遣の場合は、
・派遣元(派遣会社)
・派遣先(実際に働く会社)
この両方が職場環境を守る責任を持っています。
ただし、パワハラと認められるかどうかは 一定の判断基準 によって決まります。
まずはその基準を見ていきましょう。
パワハラと判断される3つの基準(厚生労働省の定義)
厚生労働省では、パワハラを次の3つの要素で整理しています。
① 優越的な関係を背景にした言動
立場が上の人が、
その立場を利用して行う言動です。
例えば
・上司からの暴言
・指導を超えた叱責
・仕事を与えない嫌がらせ
などが該当する可能性があります。
② 業務上必要な範囲を超えている
仕事上の指導であっても、
その内容や方法が行き過ぎている場合は問題になります。
例えば
・人格を否定する発言
・大声で長時間叱責する
・人前で何度も侮辱する
こうした行為は、業務指導の範囲を超えている可能性があります。
③ 就業環境を害する
その言動によって、
・仕事に集中できない
・精神的に強いストレスを感じる
・職場に行くこと自体が苦しくなる
といった状態になる場合、パワハラと判断される可能性があります。
この3つがそろった場合、
法律上のパワハラに該当する可能性が出てきます。
派遣現場でよくあるパワハラの事例
ここでは、実際に派遣の現場で多いケースを紹介します。
挨拶しても無視される
派遣社員が経験しやすいのが「無視」です。
・挨拶しても返事がない
・質問しても無視される
・会話から外される
このような行為が続くと、精神的な負担は大きくなります。
仕事を教えてもらえない
派遣では、
・業務説明がない
・質問しても答えてもらえない
・放置される
といったケースも少なくありません。
これは単なるミスコミュニケーションの場合もありますが、
意図的に行われている場合は問題になる可能性があります。
人前で強く叱責される
業務上の指導は必要ですが、
・人格否定
・怒鳴る
・長時間の叱責
などは問題になる可能性があります。
特に人前での侮辱的な叱責は、
精神的な負担が大きくなるため注意が必要です。
どこからが違法ラインになるのか
重要なのは、
すべての嫌な出来事が違法になるわけではないという点です。
例えば
・厳しい指導
・仕事量が多い
・相性の悪い上司
これらはパワハラと判断されない場合もあります。
一方で、次のようなケースは
違法と判断される可能性があります。
・人格否定の暴言
・継続的な無視
・仕事を与えない嫌がらせ
・過度な叱責
・脅迫的な言動
ただし最終的な判断は、
・状況
・頻度
・証拠
などによって変わります。
パワハラで困ったときの相談先
もし「これはおかしい」と感じた場合は、
一人で抱え込まないことが大切です。
主な相談先は次の通りです。
派遣会社
派遣の場合、まず相談する窓口は派遣会社です。
派遣会社には
職場環境を調整する義務があります。
労働局の相談窓口
各都道府県の労働局では、
パワハラの相談を受け付けています。
匿名相談も可能です。
外部相談窓口
弁護士などに相談する方法もあります。
このあたりの相談先は、
こちらの記事でも整理しています。
→ 派遣のパワハラはどこに相談する?派遣会社・労基・外部窓口の違いと選び方
我慢し続けると心が限界になることもある
パワハラは、
すぐに問題として認識されないこともあります。
しかし、
・毎日職場に行くのがつらい
・眠れない
・体調が悪くなる
こうした状態が続く場合、
心が限界に近づいているサインかもしれません。
詳しくはこちらの記事でも解説しています。
→ 派遣先のパワハラを我慢し続けると危険?心が壊れる前に出る5つの限界サイン
パワハラが限界なら退職を考える人もいる
派遣先の環境が改善されない場合、
退職を選択する人もいます。
例えば、
・派遣会社に相談しても改善しない
・職場環境が変わらない
・精神的に限界を感じている
このような場合です。
ただし、
・契約途中で辞められるのか
・トラブルにならないのか
といった不安を感じる人も多いでしょう。
派遣の場合、退職の連絡は基本的に派遣会社へ行いますが、
状況によっては話し合いが長引いたり、精神的な負担が大きくなることもあります。
「もう限界だけど、自分で連絡するのが怖い…」
「会社と直接やり取りしたくない…」
このような場合に利用されることがあるのが 退職代行サービスです。
退職代行は、本人に代わって会社へ退職の意思を伝えてくれるサービスで、
最近では派遣社員が利用するケースも増えています。
ただし、退職代行の中には
・違法な業者
・交渉できない業者
もあるため、サービス選びは慎重に行うことが大切です。
例えば、弁護士が対応する退職代行であれば、
・会社との交渉が可能
・未払い残業代の請求
・トラブル対応
など、法律の範囲でサポートを受けることができます。
その一つが 弁護士法人みやびの退職代行サービスです。
弁護士が直接対応するため、
・会社とのトラブル対応
・未払い残業代の請求
・有給消化の交渉
など、法律が関わる手続きにも対応できます。
「どうしても自分で連絡するのが難しい」
「会社と直接話したくない」
実際に、職場環境や人間関係が限界になった場合に、
退職代行を利用して職場を離れる人も少なくありません。
よくある質問(FAQ)
Q1. 派遣でもパワハラを訴えることはできますか?
A. はい、派遣社員でもパワハラを訴えることはできます。
現在は「パワハラ防止法」によって、企業にはパワハラを防ぐための対策を取る義務があります。
これは正社員だけでなく、契約社員や派遣社員にも適用されます。
派遣の場合は少し特徴があり、関係する会社が2つあります。
・派遣元(派遣会社)
・派遣先(実際に働いている会社)
まずは派遣会社に相談するのが一般的です。
派遣会社には、派遣社員の就業環境を守る責任があります。
状況によっては、部署変更や派遣先の変更などを調整してくれることもあります。
また、派遣社員でもパワハラを訴えることができるかについては、
次の記事でも整理しています。
→ 派遣社員でもパワハラを訴えることはできる?裁判・労働審判の違いと参考事例
Q2. 上司に強く叱られただけでもパワハラになりますか?
A. 必ずしもパワハラになるとは限りません。
仕事をするうえで、業務指導や注意が行われることはあります。そのため、叱責がすべてパワハラになるわけではありません。
一般的には、次のポイントが判断の基準になります。
・指導の範囲を超えていないか
・人格を否定する内容になっていないか
・長時間の叱責になっていないか
・人前で過度に侮辱していないか
例えば、人格否定の発言や怒鳴りつけるような指導が繰り返される場合は、パワハラと判断される可能性があります。
Q3. 挨拶を無視されたり仕事を教えてもらえないのはパワハラですか?
A. 状況によってはパワハラに該当する可能性があります。
例えば次のようなケースです。
・挨拶しても毎回無視される
・質問しても答えてもらえない
・仕事を意図的に与えられない
・長期間放置される
こうした行為が継続している場合、職場環境を悪化させる行為として問題になることがあります。
ただし、単なるミスコミュニケーションや業務の忙しさによる場合もあるため、状況を整理することが大切です。
このケースについては、こちらの記事でも詳しく整理しています。
→ 派遣先で無視されるのはパワハラ?仕事を教えてもらえない・放置される職場の対処法
Q4. パワハラを相談すると会社にバレますか?
A. 相談先によって変わります。
例えば、
・派遣会社に相談する
・会社の相談窓口に相談する
この場合は、状況を確認するために派遣先へ連絡がいく可能性があります。
一方で、
・労働局の相談窓口
・外部の相談窓口
などでは匿名相談ができる場合もあります。
「まずは話だけ聞いてほしい」という場合は、匿名相談を利用する方法もあります。
このケースについては、次の記事でも詳しく解説しています。
→ 派遣社員が労基にパワハラを訴えると会社にバレる?匿名相談と派遣会社・派遣先への影響
Q5. パワハラがつらくて限界の場合、契約途中でも辞められますか?
A. 状況によっては、契約途中でも退職することは可能です。
派遣契約は期間が決まっていることが多いですが、次のようなケースでは途中退職が認められることもあります。
・職場環境に重大な問題がある
・精神的・身体的な負担が大きい
・就業継続が困難な状況
まずは派遣会社に相談し、状況を整理することが大切です。
詳しくは、こちらの記事でも解説しています。
→ 派遣先のパワハラが限界…契約途中でも即日退職できる?安全に辞める手順を解説
まとめ
派遣で働いていると、
「これってパワハラなのでは」
と感じる場面に出会うことがあります。
パワハラと判断されるかどうかは、
・優越的な関係
・業務の範囲を超えている
・就業環境を害する
この3つの要素によって判断されます。
もし理不尽な扱いが続く場合は、
一人で抱え込まず、
・派遣会社
・労働局
・外部相談窓口
などに相談することも大切です。
職場環境が改善されない場合には、
自分の心と体を守るために、
働き方を見直す選択をする人もいます。
まずは状況を整理しながら、
自分にとって無理のない方法を考えていきましょう。